ラーメン後悔界隈

そんな界隈あってもいいかも、と思ひし昼飲みからの帰り道

見上ぐれば昔にあらぬふるさとの地に唾吐くもむなしき夕べ

見知らぬビルが次々と立つ。そんなところにノスタルジアを覚えるハマっ子のアイロニー

探しつる古き歌集がブックオフにあるやもしれずないかもしれず

もちろん、ありませんでした

変はりゆく横浜のまち今はまだ昔の影をしのびかねつも

いつまで? まちかぼく、どちらかが変わらなくなるまで

あの頃に戻つてもゝう一晩にラーメン二杯は食えぬ気がして

二十代には、大手の牛丼3杯を食べ比べる、みたいな馬鹿もできたけど、今はもう先に身体が知らん顔をします

なにもかも文字でとらへてしまへとは昔のぼくのはかなの願ひ

龍之介や中也みたいにうまくはいきませんけれど

今はもう目深にかぶる気もなしに黒キャスケット載せてこそゆけ

ふうわりと、ボリューミーでもいいんじゃないっすか?

昔ほど心傷まず親友の話聴きゐる我ぞかなしき

共感だけが傾聴のかたちじゃないです。捨てていけば、忘れるものもあります

自分史上初の完食家系のラーメン大盛り褒めてよ褒めて

はいはい、すごいすごい。罰として、今日は歩いて帰りましょうね

寒くない二月の夜に苛立ちて仰いだ空に眠る三日月

西へ傾く鋭い月が、「それでもいいのよ」てふ、弥勒菩薩の慈眼に見えましたとさ